私がまだ学生の頃,おばの家に下宿していました。よく着物を着るおばだったのですが,ある日外出するために,こんなかんじの真っ赤な総しぼりの小紋に羽織を着ていました。30代半ばのおばがそんな色の着物を着ていることにある種の違和感を覚えながらも,「総しぼりの着物っていいなぁ…」と思ったのを覚えています。
私も,年を重ねるにつれて,赤い着物に袖を通すことに抵抗を覚えるようになりました。もしかしたら,「赤い色の着物をもう着れなくなるという気持ちがおばにあの着物を選ばせたのかもしれない」と,今なら少し気持ちがわかるような気がします。