最近つくづく思うのは、「人は亡くなっても、物は遺るんだなぁ…」ということです。
特に母が亡くなってからは、その後に遺された物を見るたびに、「どんな気持ちでこれを取っておいたんだろう…」と、母の心情に思いを馳せてしまいます。
この着物は、亡くなった叔母が嫁入りの際に着てきた着物によく似ています。その叔母がまだ元気だった頃、着物が好きな私にその着物をくれました。まだうら若き叔母が、青森から海を越え北海道に嫁入りした時の心細さのようなものや、その着物を見るたびに思い出していたであろうその時の叔母の気持ちが、見え隠れするような…そんな気さえするのです。